成人男性の一般的ブログ

成人男性(23)の日常がたまに流れます。

…で何だっけ?

タイトルはMr.Childrenの「天頂バス」から。いい曲。

 

www.youtube.com

 

 

 

 

 

ところで

 

 

 

 

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少し前の話になるけど、YouTubeにこういう広告がずっと流れていた。「男なら除毛し、痩せて、異性と肉体関係になれ」と言われているみたいですごく不快だった。

 

 

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こうした不快な広告が出てくるたびに「不適切」、「関連性が低い」、「繰り返し表示される」とフルコンボでフィードバック。それにもかかわらず同様の広告が何度も何度も出てきた。

 

 

くやしい。なんとかしたい。

 


とはいえ、未だ学生の僕には月額1000円を超えるYouTube Premiumに入る余裕はないし、広告のおかげで自分の知らなかったコンテンツに出会えることもある。つまり、不快な漫画風広告さえ消えてくれればいいわけだ。

 

 

僕は天才なのでここで一つの考えが浮かんだ。僕のYouTubeアカウントはグーグルアカウントと紐づいるので、グーグルの広告設定をいじれば問題を解決できるのではないか、ということだ。

 

 

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グーグルの広告はこのように複数の要素に基づいて表示されている。

早速この中から、あの広告に関連のありそうなものを除外していこう。

 

 

 

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まず「ムダ毛処理、方法」、これは確実に影響しているだろう。除外。

 

 

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次に「美容、フィットネス」と「美容サービス、スパ」、これもだいぶ怪しい。というか、例の広告以外に関しても美容系にはあまり興味はないので外しておこう。

 

 

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それと「ショッピング」、「商品レビュー、価格比較」、これらは関係ないような気もするが念のため。他の製品情報に会えなくなるのはもったいないが、あの不快な広告を回避するためなら仕方ない。

 

 

以上でカスタム設定完了。疑わしいのはあらかた除外した。

 

 

これで広告がマシになってくれればいいのだが…

 

 

 

 

 

 

 

~しばらくして~

 

 

 

 

 

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かわんねぇ!!!!!!!

 

 

腹立つ。全然減らなかった。

 

 

関連しそうな要素はあらかた除外したにもかかわらず、なぜ出続けるのか。

 

 

僕は神童なのでここであらたな仮説が浮かんだ。

 

 

前述の通り、例の広告の主張はすべて「男なら除毛し、痩せて、異性と肉体関係になれ」というものである。つまり、これら広告の前提条件は「男であること」であり、グーグルアカウントの性別に紐づいている可能性が高い。ということは、グーグルアカウントの性別を男じゃなくせばいいのではないだろうか

 

 

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グーグルアカウントの性別設定には「女性」「男性」「指定しない」の3つの選択肢がある。これを「指定しない」にすることで例の広告を回避する。

 

 

自分の性別を「指定しない」にすることは、別に嘘をついているってわけでもない。性的マイノリティについて調べていると自分の性自認がなんなのかよくわからなくなることも多い。今のところの回答は「たぶん男」といったところなので、グーグルの設定を「指定しない」にすることは特段虚偽と言えるほどのものではない。

 

 

さあ、今度こそあの不快な広告たちからおさらばだ。

 

 

晴れやかな気持ちでYouTubeを見ていると今まで目にしたことのない広告が流れ出した…。

 

 

 

 

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これは…

 

 

 

女性版不快広告??!!!

 

 

 

今まで自分が見てきた広告がそのまんま女性版になったようなものが出てくるようになった。

 

 

そうか…知らなかった…。女性にも男性同様に不快広告が流れていたのか…。

しかも最悪なことに、これらの広告に加えて従来の男性版不快広告も引き続き流れてきた。

 

 

どうやら性別を指定しなくなったことによって男女問わず不快広告が流れてくるようになったようだ。

 

 

まさかのオチ。

 

 

結果として事態は悪化したが、グーグルアカウントの広告カスタムが明らかにYouTubeの広告に影響を与えているということはわかった。この知見を踏まえ、特定の広告をブロックする方法の確立は今後の課題としたい。

 

 

 

 

 

 

ところで、先ほど自分の性自認が「たぶん男」程度のものという風に言ったが、だからと言って僕がゲイやバイセクシャルであるということではない。

 

 

知っている方も多いとは思うが、性について考えるとき重要な要素が4つある。

 

・身体性

性自認

性的指向

・性表現

 

の4つだ。

 

 

身体性は体の性。生物学的性と表現したりする。僕の場合これは男。

 

 

性自認は心の性。主観的な性のこと。僕の場合はたぶん男。男なんだろうけど主観的な性を分ける基準が不明確だからよくわからなくなってしまうって感じ。心の性の輪郭って社会や歴史が与える影響が大きすぎて客観的な姿がよくわからない。というより、心の在り方に性はあまり影響ないんじゃないかって気がする。男か女かよりも自分であるという感覚。Xジェンダーやクエスチョニングと呼ばれる立場の人たちの感覚に近いのかもしれない。

 

 

性的指向はどの性を恋愛対象とするか。僕の場合これは異性愛者。

前に同性愛者の方とお話しした時、その方が「自身が同性愛者だと自認する前に異性と付き合ったことがある」と言っていたので「異性に向けた感情と同性に向いた感情にどんな違いがあったのですか?」と聞いてみた。するとその方は「異性にも好きという感情はあったが、同性に対してはその感情に加えて肉体的な欲求があった」と返してくれた。なるほど自分も同性でも異性であろうと一緒にいて楽しい人は楽しいが、恋愛感情のない人に肉体的欲求を感じたことはない。

自分はその人たちと遊ぶのが楽しいから遊ぶだけなのに、相手が同性であるか異性であるかということで周囲から見た遊びに対する意味付けが変わるということがよくある。そういったことに違和感を感じていた自分にとってこの視点は一つ納得できるものがあった。人間関係としての好きの感情と恋愛感情としての好きの感情とを区別する諸要素の中の一つに肉体的欲求というのは確かにあるのかもしれない。

性的指向のマイノリティについて考えることは好きになる対象が異性であることを当然視せず、自分の恋愛感情について考えることに繋がる。他者理解にとどまらず自己理解にもなるということだ。

 

 

性表現は社会的な性。他人に自分の性をどのようにふるまっているかということ。僕の場合これも男。

ところで、衣料品売り場でバイトをしていると、他人の多様なふるまいをよく目にする。性的なふるまいも実に多様だ。企業もそうした仕事の性質上、従業員の性についての理解を深めようとしているようで、ある時バイトの研修でLGBTについての説明を受けたことがあった。そこでの資料に2019年の調査で日本人の10人に1人がLGBTであることが判明していると書かれていた。この数値は今まで自分が見聞きしてきた数値よりだいぶ大きいように感じた。気になって自分で調べてみたところ、2019年の調査で10%がLGBTであるとしている調査(株式会社LGBT総合研究所「LGBT意識行動調査2019」、 https://www.daiko.co.jp/dwp/wp-content/uploads/2019/11/191126_Release.pdf)を見つけた。おそらく研修の資料はこの調査に基づいているのだろう。

この調査の調査手法を見てみると「インターネット調査」と書いてある。インターネットで調査は、意識ある人の方が積極的に調査に参加するため実態を正確に把握しづらいという問題点がある。「代表性」の問題だ。この問題点についてこの調査がどのような対策をとったのかが少なくともこの報告書からはわからない(ウェイトバック等の集計上の工夫はされているようだが)。ともかく実態を正確に捉えようとするなら確率標本抽出が望ましい。この手法を用いたLGBTの調査はないか探してみたところ名古屋市が2018年に調査を行っており(元データは見つからなかったのでOUT JAPANの記事を貼っておきます、https://www.outjapan.co.jp/lgbtcolumn_news/news/2018/12/5.html)。そこでは性的マイノリティは1.6%~4.8%(「性的マイノリティの当事者ですか?」という質問に対し、「はい」と回答が1.6%、「無回答」が3.2%)であるとしていた。自宅に調査票が郵送されることから回答しづらいことがあったかもしれないという指摘もありますが、前述の調査よりは実態に近い数値であると考えられる。

 

 

話を戻すと、研修で10%の人がLGBTであると説明することってどうなんですかね。確かに実態とは異なる可能性を認識しつつも、10%というインパクトを利用したほうが従業員の意識改革につながりやすいと考えて、敢えて株式会社LGBT 総合研究所の数値を使ったのかもしれない。しかし、研修後にベテラン社員さんが「10%って多いよね~そんなにいるのかな~」とも言ってた。数値が大きいことで現実味がなくなってしまったようで、これでは研修の内容も話半分で聞かれているかもしれない。

まずは、実態と真摯に向き合いながら理解を深めていくほうがいいんじゃないか。そんなことを思う今日この頃です。

 

 

あれ、何の話してたんだっけ?

 

 

まあいいや。